2016/11/18

『帝国と文化−−シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで』(江藤秀一編集、春風社)刊行!巽先生の論文「『第 9地区』、あるいはヨハネスブルクのロー・テクたち」(訳:三添篤郎)が掲載されています!

江藤秀一氏編集による『帝国と文化−−シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで』が春風社より刊行され、巽先生のご論文「『第 9地区』、あるいはヨハネスブルクのロー・テクたち」(訳:三添篤郎)が収録されています!

本書は「帝国」をキーワードに据え、帝国と植民者とのあいだの関係を問い直します。全四部から構成。第一部では「演劇と音楽」、第二部では「絵画と映画」、第三部では「アジア・アフリカ」、第四部では「出版・児童文学・伝記」に焦点が置かれています。題名にもあるとおり、時代的にはシェイクスピアからアントニオ・ネグリを射程にしつつ、地理的にも英/米/独/オーストラリア/インド/日本/朝鮮と多岐にわたります。

巽先生のご論文は、以前に CPA で紹介した Science Fiction Double Feature: The Science Fiction Film As Cult Text に収録されたものの日本語版。ニール・ブロムカンプ監督の『第 9地区』(2009年)に描きこまれた「ヨハネスブルクのロー・テクたち」の文化的系譜を、塚本晋也監督の『鉄男』シリーズや、開高健・小松左京が紡いだ「日本アパッチ物語」、そしてウィリアム・ギブスン作品に見出しつつ、映画『ボーダータウン』(2006年)や『悪の法則』(2013年)にも連なるものとしてご提示されます。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!



『帝国と文化−−シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで』
江藤秀一編著
四六版、512p
装丁:長田年伸
春風社、2016年 9月
3500円(本体)
春風社による本書紹介

【目次】
はしがき(江藤秀一)

序章 大帝国前夜
ドクター・ジョンソンとフレンチ・インディアン戦争(江藤秀一)

第 1部 演劇・音楽
  1. シェイクスピア『テンペスト』と「帝国」―「交換様式」の視点から(山木聖史)
  2. スウィングする帝国―ブラック・パシフィックと第二次大戦前夜の『ミカド』(竹谷悦子)
  3. 帝国における音のスペクタクル―聴覚と視覚のネクサス、デリーとロンドン、1911-12年(ティム・バリンジャー/訳:長谷部寿女士)
  4. 総統の劇場―ナチ期のザールブリュッケンとその劇場(江藤光紀)
  5. 核と帝国主義―オーストラリア先住民演劇『ナパジ・ナパジ』(一谷智子)
  6. 〈帝国〉の時代を生きる―アントニオ・ネグリと「マルチチュード」の演劇(堀真理子)

第 2部 絵画・映画
  1. ジョン・ロックウッド・キプリングとインドのクラフツマンシップ(山口惠里子)
  2. 動物と帝国―ディズニーと野生のファンタジーの行方(清水知子)
  3. 『第 9地区』、あるいはヨハネスブルクのロー・テクたち(巽孝之/訳:三添篤郎)

第 3部 アジア・アフリカ
  1. 長崎の「黒坊」―南蛮文化と有色の帝国主義(鈴木章能)
  2. 〈文明化〉の病としての神経衰弱―漱石の『それから』とギルマンの「黄色い壁紙」を中心に(仙葉豊)
  3. 帝国の女教師たち―朝鮮で教えた女教師たち(朴宣美)
  4. 然り、われ速やかに到らん!―『ジェイン・エア』における宣教と帝国主義(向井秀忠)
  5. ハリエット・マーティノーの『シナモンと真珠』は帝国の物語か―『経済学例解』と植民地貿易(松本三枝子)
  6. 英領インドにおける母(ハウス・マザー)の身体(中田元子)
  7. アーレントの帝国主義論と『闇の奥』(対馬美千子)

第 4部 出版・児童文学・伝記
  1. 「買うべきか、借りるべきか、それが問題」―十八世紀イギリス出版文化の諸相(井石哲也)
  2. 児童文学と帝国―児童文学黄金時代の背景(安藤聡)
  3. 大英帝国とラフカディオ・ハーンの伝記記述―英国軍医はイオニアの男に刺されたのか(長岡真吾)

あとがき(竹谷悦子)
執筆者一覧


【関連リンク】


【関連書籍】
江藤秀一編著『帝国と文化: シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで』(春風社、2016年)


Ed. by J. P. Telotte and Gerald Duchovnay, Science Fiction Double Feature: The Science Fiction Film As Cult Text (Liverpool Science Fiction Texts and Studies) (Liverpool UP, 2015)


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