◆◆◆最初にポーを読んだときの衝撃や恐怖、驚きや戸惑い、さまざまなセンセーションはわたしの中に根深く残り、それらは、この巻の作品選定にも少なからず影響をあたえている。三十年も前の、若い時分の感覚ではあるが、二十一世紀の現在、全集の編者および訳者の目で、「コンテンポラリー文学」として改めて眺めてみても、やはり外せない、いま読まれるにふさわしい作品がそろったと感じている。(鴻巣友季子氏解説より*集英社 HPより) ◆◆◆
その他、本書には桜庭一樹氏による翻案「
『E・A・ポー:ポケットマスターピース 9』
著:エドガー・アラン・ポー
編:鴻巣友季子、桜庭一樹
編集協力:池末陽子
集英社、文庫、832ページ
2016年 6月、1,300円(本体)+税
*集英社による本書紹介
*集英社文庫ヘリテージシリーズ・ポケットマスターピース全 13巻についてはこちら
【目次】
詩選集
アナベル・リイ (日夏耿之介訳)
モルグ街の殺人 (丸谷才一訳)
マリー・ロジェの謎 (丸谷才一訳)
盗まれた手紙 (丸谷才一訳)
黄金虫 (丸谷才一訳)
メルツェルさんのチェス人形−−エドガーによる
アッシャー家の崩壊 (鴻巣友希子訳)
黒猫 (鴻巣友希子訳)
早まった埋葬 (鴻巣友希子訳)
ウィリアム・ウィルソン (鴻巣友希子訳)
アモンティリャードの酒樽 (鴻巣友希子訳)
告げ口心臓 (中里友香訳)
影 (池末陽子訳)
鐘楼の悪魔 (池末陽子訳)
燈台 (鴻巣友希子訳)
アーサー・ゴードン・ピムの冒険 (巽孝之訳)
解説(鴻巣友希子)
作品解題(池末陽子)
E・A・ポー著作目録(池末陽子)
E・A・ポー主要文献案内(池末陽子)
E・A・ポー年譜(池末陽子/森本光)
【関連リンク】
- 集英社文庫ヘリテージシリーズ・ポケットマスターピース全 13巻
- 10/14-15:パリにてシンポジウム「江戸川乱歩、あるいは近代日本の迷宮」が開催!一日目に巽先生ご発表「群衆の使命:ポー、乱歩、笠井潔」“The Task of the Crowd: Poe, Ranpo and Kiyoshi Kasai”@パリデイドロ大学 16:15-(CPA: 2016/07/22)
【関連書籍】
エドガー・アラン・ポー『E・A・ポー ポケットマスターピース 9 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)』(集英社、2016年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『大渦巻への落下・灯台: ポー短編集 〈3〉 SF&ファンタジー編 』(新潮社、2015年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編』(新潮社、2009年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編』(新潮社、2009年)
Contributed by Takayuki Tatsumi, Edited by Emron Esplin, Margarida Vale de Gato, Translated Poe (Perspectives on Edgar Allan Poe) (Lehigh UP, 2014)
巽孝之『NHKカルチャーラジオ 文学の世界 エドガー・アラン・ポー 文学の冒険家』(NHK出版、2012年)
Takayuki Tatsumi, Full Metal Apache: Transactions Between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America (Duke UP, 2006)
八木敏雄、巽孝之編『エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携』(研究社、2009年)
巽孝之『E・A・ポウを読む (岩波セミナーブックス)』(岩波書店、1995年)
巽孝之、下河辺美知子、鷲津浩子『文学する若きアメリカ―ポウ、ホーソン、メルヴィル』(南雲堂、1989年)
笠井潔、巽孝之解説『群衆の悪魔 下 (デュパン第四の事件) (創元推理文庫)』(東京創元社、2010年)
森晶麿、巽孝之解説『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』(早川書房、2015年;単行本、早川書房、2012年)