12月13日(土)、慶應義塾大学三田キャンパスにて、日本アメリカ文学会東京支部12月例会が行われます。
今回のシンポジウムのテーマは、「群島としてのアメリカ詩、そして吉増剛造」です。
英語詩に初めて「海」という概念を持ち込んだ、アメリカ現代詩の創始者エズラ・パウンド。彼は、“periplum(沿岸航海)” というメタファーを用いて、自分が航海中に寄る島々を文学作品になぞり、その航海を実作品として一平面上に提示しました。このように、今までの「通時」という基軸を失った共時的な文学は、古今東西からの影響を緩やかに受けつつも、それ自体で「海」という一平面上の独自の島として存立するようになったのです。つまり、今アメリカ詩においては、各々の詩人が群島となってその容貌を現しつつあるのです。
数多くの群島の中から、今回は3つの群島を取り上げ、パネリストの先生方が語ります。遠藤朋之氏(和光大学)が「パウンド詩学の継承―パウンドからスナイダーへ」について、小泉純一氏(日本福祉大学)が「アメリカン・ナイトを紡ぐパレスチナ系アメリカ人の詩人たち―越境するネオミ・シーハブ・ナイとスヘイール・ハマッド」について、山内功一郎氏(静岡大学)が「「語る言語の夢」―Paul Celan, W. G. Sebald, 吉増剛造と対話するMichael Palmer」について論じ、アメリカ同時代詩の実像へと迫っていきます!
さらに、今年『表紙 omote-gami』(思潮社、2008年)を刊行された詩人・吉増剛造氏を迎え、「群島」という概念やアメリカ詩について、大いに語っていただきます!
日本アメリカ文学会東京支部12月例会
日時:2008年12月13日(土)午後2時より
場所:慶應義塾大学三田キャンパス 第一校舎122教室
シンポジウム:群島としてのアメリカ詩、そして吉増剛造
講師、司会:遠藤朋之(和光大学)
講師:小泉純一(日本福祉大学)、山内功一郎(静岡大学)、吉増剛造(詩人)
※例会終了後、懇親会がございます。(北館1階・ファカルティ・クラブ)