2003/01/01

2004年度芸文学会春季特別講演のお知らせ


6月1日(火)、武藤脩二氏(中央大学教授)をお招きして2004年度芸文学会春季特別講演が開催されます。ふるってご参加下さい。

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ペリー家の人々
──提督から慶大教授、印象派画家、グルー大使夫人まで──
武藤脩二氏(中央大学教授)

日時:2004年6月1日(火)午後2時45分より
場所:慶應義塾大学三田キャンパス南校舎452-B
司会:巽孝之(本塾文学部教授)
入場無料、来場歓迎

 1853年、黒船が我が国の鎖国を解いた。その立役者がマシュー・ペリー提督だったことは、誰でも知っている。しかし、ペリー提督の甥の子であるトマス・サージェント・ペリーがマーク・トウェインやウィリアム・ディーン・ハウェルズ、ヘンリー・ジェイムズとも親交の深い卓越した文学批評家であり、独仏露に通じ外国文学普及に力のあった比較文学者であり、そして何より、福沢諭吉の招聘で1898年から1901年まで慶應義塾大学文学部教授として教鞭を執っていたことについては、さほど広く知られていない。
 今回の武藤脩二氏による講演は、ハーヴァード大学での精密な調査に基づき、本塾ともゆかりの深いペリー家の人々が、アメリカ文学史・文化史においていかに重要な役割を果たしたかを詳細に分析する点で、本邦初の試みである。
 基本的に<三田文学>2003年秋季号、2004年春季号に発表した二論文をふくらませ、ジェイムズ・フェニモア・クーパーやハーマン・メルヴィル、シオドア・ローズヴェルトから日本海海戦における海洋ナラティヴ、ひいては日米における進化論の受容と影響まで、多様な展開が予定されている。その結果、世紀転換期アメリカにおける文学・絵画・建築の本質が明らかにされるだろう。
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<武藤脩二氏略歴>
1936年生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了。現在、中央大学文学部教授(アメリカ文学専攻)。主著に『アメリカ文学と祝祭』(研究社、1982年)、『1920年代アメリカ文学──漂流の軌跡』(研究社、1993年)、『印象と効果──アメリカ文学の水脈』(南雲堂、2000年)、共訳書にトニー・タナー『言語の都市』(白水社、1980年)など多数。