2001/12/01

過去のCPA Recommneds:2001

●SFの極意が一冊に 『SF入門』
SFとは何か?--日本SF作家クラブ会員によるSF入門の決定版がついに登場しました。SF史や人気作品の解説から、SF的想像力の再検証まで、この一冊でSFのすべてが分かる骨太な構成になっています。さらに著名作家が書き方のコツまで披露! SFの「実践」に直結する知識が満載されたハンドブックです。編集委員各氏(神林長平・大原まり子・小谷真理・巽孝之)のほか、日本SF界を代表する執筆陣にもご注目下さい。



日本SF作家クラブ編
『SF入門』
2001年12月20日発売予定
A5版並製 1,500円

*目次
第一部 SFの歴史
第二部 SFする精神
第三部 SFの創り方
第四部 SFサブジャンル百科事典
第五部 SFを読もう
その他、年表やコラム多数。

*詳しくは早川書房HPを御覧下さい。
*この本の発行を記念して<SFマガジン>2002年2月号(12月25日発売)に座談会記事が掲載されます。出席者は、編集委員会の四名、司会は同書編集担当の阿部毅氏。こちらもお楽しみに。

●国重純二先生御退官記念論集
日本アメリカ文学会・日本英文学会会長を歴任された国重純二先生の御退官を記念して、論集『アメリカ文学ミレニアム』が刊行されました。上下巻に46編の論考が収められた、まさに理論と批評の最先端です!

第I巻 ピューリタンからロスト・ジェネレーションまで
I. ニュー・ワールドの夢と悪夢
巽孝之/大井浩二/田辺千景/大串尚代/林以知郎/村山淳彦/亀井俊介
II. トランセンデンタリズムの遺産
八木敏雄/根本治/高尾直知/宮川雅/青山義孝/安河内英光/伊藤詔子
III. アメリカン・リアリティの発明
志村正雄/後藤和彦/折島正司/別府恵子/宇沢美子
IV. ロスト・ジェネレーションの伝統
宮脇俊文/田中久男/井上謙治/佐々木肇/渡辺信二

第II巻 フォークナーからポスト・モダンまで
V. ヨクナパトーファの魂
谷本泰三/林文代/藤平育子/本間武俊/平石貴樹
VI. パクス・アメリカーナの明暗
杉浦銀策/田中啓史/舌津智之/大野真/渡部桃子/若島正/下河辺美知子
VII. 多文化ミレニアム
楢崎寛/佐藤良明/山里勝巳/池田孝一/伊藤章/畔柳和代/柴田元幸/吉原真里/竹村和子/内野儀/志村正雄(あとがき)

『アメリカ文学ミレニアム』
南雲堂刊行
上下巻各6,000円

●八木敏雄先生退職記念論集

『「白鯨」解体』『アメリカン・ゴシックの水脈』で名高い八木敏雄先生の御退職を記念して、研究社より論文集『アメリカ!--幻想と現実』が刊行されました。日本を代表するアメリカ文学者10人が最新論文を寄稿した豪華な内容もさることながら、アメリカ文学会きってのセルフメイド・マン八木先生による「編者あとがき」は、その強靭な知性と温かな人柄とを証明する自伝風回想としても一読の価値アリ! 巽先生は「使い切った男たち--ポウ、バルトーク、テラヤマ」で、ポウ/バルトークを高度資本主義都市・渋谷で「使い切った」寺山修司への偏愛を披露しています。(→目次は研究社HPを御覧下さい。)

八木敏雄編
『アメリカ!--幻想と現実』
研究社,4000円

『自然と文学--環境論の視座から』刊行!
昨年度慶應義塾大学文学部設置総合講座「環境と文学」が一冊の本になりました。環境破壊が深刻化した現在、古くから自然環境を描いてきたはずの文学はこの問題にどんな提言ができるのか? 欧米や中国、日本の文学における自然を各分野気鋭の研究者が論じています。巽先生は第5章「アメリカン・ロードの生態系---サイモン、ガスリー、スタインベック」を寄稿しています『アメリカ文学史のキーワード』エピグラフにも掲げられたポール・サイモンの「アメリカ」をきっかけにアメリカ文学史をロード・ナラティヴとして読むこころみ。他の執筆者に、川村晃生先生・村松友視先生(国文学)、鷲見洋一先生(仏文学)、松田隆美先生(英文学)など。総合講座コーディネータ柴田陽弘先生の序章「思想としての自然」をはじめ、読み応え十分の論集です。



柴田陽弘編
『自然と文学--環境論の視座から』
慶應義塾大学出版会
3000円

●あの名著が復活!
ダナ・ハラウェイ1985年の名論文「サイボーグ宣言」を中心に論争をまとめた編訳書『サイボーグ・フェミニズム』(巽孝之編・巽孝之+小谷真理訳;第2回日本翻訳大賞思想部門受賞)が、装いも新たに水声社より刊行されます。今回の『サイボーグ・フェミニズム』には、旧版収録のハラウェイ「サイボーグ宣言」、サミュエル・ディレイニー「サイボーグ・フェミニズム」、ジェシカ・アマンダ・サーモンスン「なぜジェンダーを呼びもどすのか?」、巽孝之「M.バタフライ、あるいは」に加え、新たにハラウェイvs巽対談「サイボーグ・フェミニズムの文学」(50枚)、小谷真理による書下ろし解説「サイボーグ・フェミニズムの新世紀」(64枚)が収録されます。受容史とともに「サイボーグ宣言」を再読できるチャンス! お楽しみに。

アメリカン・ソドム好評発売中
<英語青年>連載「アメリカ小説史の革命」が、徹底的な加筆改稿を経て、とうとう一冊の本になりました。これまで、アメリカン・エデンやアメリカン・アダムを中心に語られてきたアメリカ文学史/文化史の死角をあざやかに照らし出す最先端批評です。『ニュー・アメリカニズム』『ニューヨークの世紀末』の愛読者にはとくにお勧め! 

研究社出版
定価3,800円
全370頁

『童話物語』文庫版登場

1999年の刊行以来多くのファンを集めてきたハイ・ファンタジー、向山貴彦/宮山香里『童話物語』
(幻冬舎)が文庫化され、15万部を超える人気です。宮山さんの新作リトグラフが表紙を飾り、文庫版特製資料集が収録された豪華版! 巽先生も今回新たに解説を書き下ろしています(ハードカバー版解説も同時収録)。独自の世界観を構築した傑作ファンタジーを是非この機会にお楽しみ下さい。



幻冬舎HP
スタジオ・エトセトラHP

●祝! アヴァンポップ・ガール小林エリカ、第一著書刊行

千木良悠子氏の親友で、パニカメ5号では共作「三日後の未来」も発表、 デジタル・コミック・アーティストとしてはすでに国際的評価も高い 小林エリカ氏による初めての短篇小説「ネバーソープランド」が、 河出書房新社より一冊の本になりました。『ピーター・パン』と『愛のコリーダ』を シャッフルさせた珠玉のアヴァン・ポルノ、もちろんオビの推薦文 は巽先生。是非ご一読を!           
大串尚代編集長の CPAブックレビューでも紹介されています。

●パニカメ小説デビュー! 笙野頼子『渋谷色浅川』

芥川賞・三島賞受賞作家・笙野頼子氏の最新短編集 『渋谷色浅川』(新潮社,1,400円)にて、 何とわれらがパニック・アメリカーナのことが 語られています。 もちろん、巽先生および小谷真理さん、 OB代表・山口恭司さんや本塾助手・大串尚代さんはじめ、 ラリイ・マキャフリイ、シンダ・グレゴリー、 マイケル・キージング、マーク・アメリカら 当ゼミゆかりの方々がぞくぞく登場。 一部分は変名になっているので、謎解きの醍醐味も充分! とくに「中目黒前衛聖誕」と「宇田川桃色邸宅」は必読! さてさて、あなたは何人わかるでしょうか?


<著者紹介>
1956年三重県生まれ。81年、「極楽」で群像新人文学賞受 賞。 94年、 「二百回忌」で三島賞、 「タイムスリップ・コンビナート」で芥川賞受賞。他の著書に「東京妖怪浮遊」など。

●千木良悠子、堂々作家デビュー!

巽ゼミ4年生/パニカメ5号編集長・千木良悠子さんが、 河出書房新社が刊行する季刊文芸雑誌 <文藝>2001年春季号に短篇小説「甘夏キンダガートン」でついに作家デビューされました。パニカメ4号掲載の第一短篇「猫殺しマギー」が<三田文学>62号(2000年 春季号)に転載されてたちまち評判を呼び、今回のデビューでは <文藝>同号の表紙およびグラビアも飾っています。 本屋さんに入ったら、ご注目を!

●巽先生絶賛「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」
1993年に出版されるやいなや話題を呼び、1999年には新進女性監督ソフィア・コッポラの手で映像化されたアメリカ現代文学の最先端ジェフリー・ユージェニデスの「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」が、早川書房の新シリーズ<epi文庫>の 6月配本分の一冊として、とうとうお目見えしました。解説はもちろん、本書出版以来折りに触れてこの作品の良さを熱く語ってきた巽先生。
佐々田雅子訳、700円。早川書房ホームページ

●『20世紀の巨人~たった100年で人間はここまで進化した』Giants of the Century(監修・解説 巽孝之)発売!!

人間が目覚しい進化を遂げた20世紀を、 人権、科学、映画監督、俳優、美術、音楽、自動車、 スポーツ、文学、空と宇宙、という10分野から、 それぞれ5人の“巨人”にスポットをあて、 その時代背景とその他の関係者の解説とともに検証する。詳細はこちら。

『テクスチュアル・ハラスメント』絶賛!!

小谷真理編、小谷真理・本田真己共訳 ジョアナ・ラス著『テクスチュアル・ハラスメント』(インスクリプト)が「読売新聞」「日本経済新聞」「週刊読書人」など各紙書評欄で絶賛を受けています。 中央公論新社刊「婦人公論」4月22日号書評欄 「カルチャーセクション」では 小谷真理さんのインタビューが掲載されました。 「女性に創造的なことはできない、という偏見や 中傷の実態を知れば孤立は免れます」。 また「女性の著作権を考える会」が 小谷真理編テクハラ本の絶賛書評を 網羅。
上野千鶴子(東大教授)や竹村和子(お茶大助教授) それに松本侑子(作家)など高名なフェミニストが こぞって賞賛しています!



■「メタフィクションの思想 (ちくま学芸文庫)」(ちくま 学芸文庫) 発売中!

「メタフィクションの謀略」が装いも新たに「メタフィクションの思想 (ちくま学芸文庫)」として筑摩書房から発売されます。筑摩書房のPR誌『ちくま』2001年4月号には、 巽先生の書き下ろしエッセイ「メタフィクションの 青春」も載ります。お見逃しなく!