巽ゼミの年刊誌「パニック・アメリカーナ」最新号がついに刊行されました!第8号となる今年のパニカメのテーマは「Happy Days」。巽孝之・小谷真理をはじめ、各方面で活躍するゼミOB・OG、現役ゼミ生がそれぞれの「Happy Days」を語ります。高山宏、森川嘉一郎、Larry McCafferyなど豪華ゲストも参加して繰り広げられる怒濤の168ページ!
とにかく読め!文学部の危機なんてこわくない。
---巽孝之
■ナイアガラのほとりで―This Side of Niagara Falls---巽孝之
カナダはトロントで出会った「Happier Days」。四半世紀ぶりにナイアガラを訪れた巽孝之による特別寄稿。「より幸せな日々」をめぐって、大瀑布のこちら側と向こう側、過去と現在が去来する。
■Tatsumi Battles the Pink Punk Cadillac Samurai Robot Cat in Space for Control of the Japanoid Reality Studio ---Larry McCaffery
巽先生の著書「Full Metal Apache」(2004年デューク大学出版局から刊行予定)によせられたラリイ・マキャフリーのオープニング・アクト! 巽先生の盟友ラリイ先生がTEAM TAKAYUKIについて語る!
■Happiest Days ---巽孝之×小谷真理
もしかしたら、あらゆるところにしあわせが。そんなことを考えながら巽孝之・小谷真理にうかがったHappy Days談義。『オズ』に始まり、サミュエル・ベケットのHappy Daysを経由して「マトリックス」、そして21世紀の日本まで。2人が縦横無尽に語り尽くす。
Happy Days #1 Following the Yellow Brick Road
世紀を超えてアメリカ的想像力が掻き立てる『オズのふしぎな魔法使い』。そして、そのアメリカ的な幸福感は大衆文化のみならず、ライフスタイルからありとあたゆる面に息づいてい る。そのようなオズ的なるものをキーワードにHappy Daysにせまる!
■Interview:「ドロシーにうなされて」---宮本菜穂子(巽ゼミ6期)
2003年9月、宮本菜穂子による新訳『オズのふしぎな魔法使い』刊行を記念して行われたスペシャルインタビュー。新たな『オズ』にこめた想いとは?そして「Happy Days」とは……?
■Does Moomin Dream of Electric Sheep?
―ムーミンは電気羊の夢を見るか?---千木良悠子(巽ゼミ10期)
前衛? パンク? ポップ? 「いやまぐれで書けてしまったんです。」
今秋、短編集『猫殺しマギー』でデビューした作家・千木良悠子(巽ゼミOB)インタビュー。
■Downsized ---Michael Fujimoto Keezing
毎年パニカメに珠玉の短編を寄稿してくれる、ぼくらのアヴァン・ポルノ作家マイケル・フジモト・キージングによるアヴァン・ポルノ・SF!
Happy Days #2 Happy Otaku
最近は研究対象としても熱い視線が注がれている「おたく」。そして彼らは秋葉原の街並み まで変えてしまうほどの存在となっている。オタクたちの幸福とはいかなるものか?
現在、大きくその姿を変えようとしている街、秋葉原。この街の「いま」そして未来を探るべく、森川嘉一郎(早稲田大学理工学研究センター客員講師)とともに「趣都」アキハバラを歩いた。
■引きこもりオタは、蜜の味---小谷真理
ひたすら本を読みまくり、知識と情報の渦のなかに「引きこもる」小谷真理の特別エッセイ。ネットでつながれたオタ友達とのコミュニケーションから、オタクにとっての「幸せ」が見えてくる。
■20年越しのハッピーエンド---大串尚代
20年前、10歳の大串尚代を虜にした少女マンガ『プルミエ☆ミュゲ』。20年という歳月の末、大きく変わった自分と、いつまでも変わらない『プルミエ☆ミュゲ』。両者が再び出会った。
■From kino-eye to anime eye? ---Mark Driscoll
あの『サイボーグ・フェミニズム』の著者ダナ・ハラウェイの弟子にしてジャパノロジスト、マーク・ドリスコルが戦前の伝説的映画理論家・今村太平の『漫画映画論』を再考する。
■綺想の狂宴~天から詩神(ミューズ)が降ってくる~---高山宏×巽孝之
2003年度秋学期久保田万太郎記念講座に出講された高山宏(東京都立大教授)と巽孝之の特別対談。由良君美、高橋康也ら「知の巨人」に薫陶を受けた高山宏と、我らが巽孝之という「大学」「学問」を知り尽くした2人の熱きトークがパニカメにて実現!
■Two Love Stories─"Borrowing Books" & "Marsupial, the Lowly Animal"
---吉田恭子
Creative Writingを専門とする吉田恭子(慶應義塾大学文学部助手)の書き下ろし短編。異彩を放った2つのラブストーリー。
Happy Days #3 Welcome to the Bagdad Cafe
今、私たちは大きな戦争に直面している。はたして私たちの言葉はこの戦争に対して無力なのだろうか。いや、Happy Daysを作り出すための平和的テロをはじめよう!
翻訳家として活躍中の鈴木淑美(慶應義塾大学講師)による書き下ろしエッセイ。新聞をはじめとするマスメディアにとって、なくてはならないもの。それは「戦争」と「女」である──。フェミニズムの視点から現在のジャーナリズムを洞察する。
■KITCHEN CREEK COURT ---Michael Hemmingson
ラリイ先生の文学プロジェクトに深く関与している「アヴァンポップの破壊のプリンス」マイケル・へミングソンの新作短編!
■すべては紙表紙から始まる---尾崎俊介
鮮烈なデザインと精緻なリサーチで話題をさらった『紙表紙の誘惑』。著者・尾崎俊介(愛知教育大助教授・慶應義塾大文学部英米文学専攻OB)は、いかにしてペーパーバック研究の第一人者たりえたか。出版秘話をパニカメ読者だけにおくる。
Happy Days #4 In the Spotlight
舞台というものに魅せられ、また魅せたいと思う人々がいる。舞台に立つ者、裏方として舞 台を支える者、演劇を研究する者、そして観客としてのしあわせについて。
アメリカ演劇研究の新鋭・常山菜穂子が、大学院巽ゼミの想い出のみならず、「アメリカ」と「演劇」にささげる情熱をも語り尽くす。『アメリカン・シェイクスピア』出版記念インタビュー。
■彼女たちの舞台
---依田由布子(巽ゼミ7期)・成島洋子(巽ゼミ7期)・深瀬有希子(巽ゼミ7期)
舞台で活躍する巽ゼミ7期生の依田由布子と成島洋子に、同級生・深瀬有希子(慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程)がその魅力について聞く。
■Paper Presentation:宇宙からの手紙---木村亜希子
木村亜希子(巽ゼミ12期)による、カート・ヴォネガットとマーク・トウェインが共有する「人間機械論」にせまる論考。