2000/02/29
Panic Americana #14 “Seeds/Species”
ラベル:
Panic Americana
慶應義塾大学文学部英米文学専攻巽孝之ゼミは今年で 20周年という喜ばしい花を咲かせた。
再び繁栄という花を咲かすべく、我々は色々な“種”を蒔いていく…。そういった気持ちを胸に、我々Panic Americana 編集部 はテーマとして、ゼミ20周年記念復刻版号ともリンクする 『種~Seeds/Species』を掲げることにした。
Seedsには種、希望の可能性、新しく成長する部分、起源などの意味がある。今年前半のサバティカルで渡米した巽孝之氏は、ニューイングランド諸大学を廻る講演旅行を行い、興味、知識へのきっかけという種を蒔いてきた。またその巽氏が「ポーとダーウィンとリンカーンは同い年で 3人ともサルに関わっている」と指摘するように、今年は、エドガー・アラン・ポー、エイブラハム・リンカーンそしてチャールズ・ダーウィン生誕 200周年。彼らについての研究の更なる発展という花を咲かすべく新訳や関連書という種が世に蒔かれる。
さてダーウィンがその主著を『種の起原』 On the Origin of Species (1859)と題したように、Speciesにはもともと、さまざまな種族たちの未来が想い込められていた。その意味で今年、アヴァン・ポップの種の起原とも呼ぶべき作家レイモンド・フェダマン氏が亡くなられたのは象徴的である。氏の文化的な息子、精神的な継承者と言うべきアヴァン・ポップ伝道師ラリイ・マキャフリイ氏が綴る追悼文を本誌に掲載させていただき、氏への哀悼の意を表すると同時に感謝の気持ちを伝えさせていただく。多種多様のSeeds/Speciesが詰まった本誌が、読者の皆様にとって「きっかけの“種”」になれば幸いである。
Contents
■種の期限、またはネタの起源---たつこた対談
■この惑星は神の卵---巽孝之
■体力は、万物のミナモト---小谷真理
■巽孝之大辞典&巽ゼミ教養講座巽孝之っぽい文章の書き方
---向山貴彦×吉見知子
■☆赤裸々☆要注意感動ドキュメント―ドキドキ出産騒動記
---大串尚代
■映画の種はナニ?---佐藤嗣麻子×巽孝之×小谷真理
■インタビュー:タネ蒔くヒト---佐藤嗣麻子×巽孝之×小谷真理×宮坂敬造
■X-X-X-X-X--A Tribute to Raymond Federman (1928-2009), Whose Work Provide the Seeds of my own Works as a Critic and Reader.
---Larry McCaffery
■200年の記憶~系譜を辿る---伊藤農×蔭山咲子×田ノ口正悟×南出孝大
■DNAを引き継ぎし者~ポーが残した遺産---山崎洋文×南出孝大
■SEED---浜風幽霊
■A Bohemian Rhapsody: East Village as a Multicultural Heaven---溝渕令佳(18期)
■あるカメラの愛と死---永野文香(9期)
■Panic Americana---谷戸靖也
■福音の音---幸田桜(12期)
■ダーウィンの子供たち---海老原豊(14期)
■ゼミ生大図鑑~私は○○界○○門○○綱○○目○○科○○属○○種です。
---ゼミ生
■私という種の育て方~成長促す水や肥料は○○---ゼミ生
■爆笑合宿inながの2009---合宿係
読者の皆様という“タネ”を蒔いてみては如何でしょうか。