2026/08/03

『イギリス小説研究の最前線——一八世紀から現代まで』(音羽書房鶴見書店)が刊行され、巽先生による論文「環大陸的ゴシック——ポー、ジェイムズ、イシグロ」が収録されています!

河内恵子先生監修、原田範行先生・麻生えりか先生編著による『イギリス小説研究の最前線——一八世紀から現代まで』(音羽書房鶴見書店)が刊行され、巽先生による論文「環大陸的ゴシック——ポー、ジェイムズ、イシグロ」が収録されています!

本書は、「小説」というジャンルを「文学の解放区」として捉え、その多様なありかたを示すことを目的として編まれた論集です。全16本の論考を収録し、三部構成で、イギリス小説の展開を近代初期から現代まで年代順に辿ります。第一部は「小説の誕生と展開——近代初期からヴィクトリア朝」、第二部は「変わりゆく時代の想像力——世紀末からモダニズムへ」、そして第三部は「戦争と記憶、そして未来——二〇世紀から現代の小説」と題されています。

第二部に収録された巽先生の論文「環大陸的ゴシック——ポー、ジェイムズ、イシグロ」は、アメリカにおける民主主義と封建主義のねじれた関係とその折り合いのつかなさに注目し、そうした矛盾がゴシック的想像力を生み出してきた可能性とその環大陸的な系譜を、アメリカ作家ポーとジェイムズ、そして日系イギリス作家イシグロの作品に辿り、その軌跡をスリリングに描き出します。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!



『イギリス小説研究の最前線——一八世紀から現代まで』
監修:河内恵子、編著:原田範行・麻生えりか
A5判・368ページ
音羽書房鶴見書店
本体3,800円+税
2026年 3月
ISBN: 978-4-7553-0454-5

【目次】
序・・・河内恵子

第一部 小説の誕生と展開―近代初期からヴィクトリア朝
  • 第一章 ヘイウッド文学のリアリズム―イギリス文学史の忘れもの・・・原田範行
  • 第二章 フィクションと現実のはざまで―オーエンソンの『フロレンス・マカーシー』をめぐって・・・中村哲子 
  • 第三章 正史をめぐる競合―チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』における四人の自己像・・・宮丸裕二
  • 第四章 ジョージ・エリオット再評価——笑いの重層的構造とその効果・・・永井容子

第二部 変わりゆく時代の想像力―世紀末からモダニズムへ
  • 第五章 「ノアの日にありし如く―『アフター・ロンドン』を読むウィリアム・モリス・・・川端康雄
  • 第六章 「ロマンス王」神話の陥穽―作家ファニー・スティーヴンソンが描く女性たち・・・守重真雄
  • 第七章 桜桃の味―『ドリアン・グレイの肖像』における時間性の修辞学・・・鈴木英明
  • 第八章 肖像画というメディア―『ドリアン・グレイの肖像』における芸術とジャーナリズムの関係・・・緋田亮
  • 第九章 環大陸的ゴシック―ポー、ジェイムズ、イシグロ・・・巽孝之
  • 第一〇章 ラフカディオ・ハーンの〈浦島太郎の物語〉―「夏の日の夢」とその入れ子的構造・・・玉井暲

第三部 戦争と記憶、そして未来―二〇世紀から現代の小説
  • 第一一章 ギッシングの反軍国主義―『ヘンリー・ライクロフトの私記』再考・・・小宮彩加
  • 第一二章 創造的共同作業としての英文学―Ⅾ・H・ロレンス『恋する女たち』とF・R・リーヴィス・・・近藤康裕
  • 第一三章 「ポスト印象主義的な魂」—『灯台へ』におけるロジャー・フライの影・・・遠藤不比人
  • 第一四章 ジェイムズ・ハンリーとエリザベス・ボウエンが描く幽霊—第二次世界大戦、心霊主義、ラジオ放送・・・永嶋友
  • 第一五章 女性の解放者か抑圧者か?—ミュリエル・スパーク『ブロウディ先生の青春』における教育的リプロダクション・・奥畑豊
  • 第一六章 「信用できない語り」から「責任ある語り」へ ―カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』における対話的想起・・・麻生えりか

あとがき 原田範行、麻生えりか

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