このたび、篠田節子著『失われた岬』が角川文庫より刊行されました!いなくなってしまった友人(栂原清花)や恋人(桐ヶ谷肇子)、或いは担当作家(一ノ瀬和紀)の行方を執念深く丹念に調査していくと、もしくは失踪者本人の不思議な導きで辿り着く北海道のとある岬、カムイヌフ岬。人間の介入を阻むような場所にあるその岬になぜ人々がぞくぞくと吸い寄せられていくのか?作家一ノ瀬の担当である相沢礼治の根気強い追跡調査とともに、次第にその岬の謎と成れの果て、そこに込められていた一人の研究者の絶望と希望が浮彫にされていきます。巽先生による解説「ここに立ち入る者は、すべての望みを棄てよ」は、岬文学ともいえる岬が誘発してきた文学的想像力を辿ったうえで、本書の読みどころを詳細にお教えくださいます。「さまざまな人々が特段の理由もなく失踪し岬へ消えていくという現象から始まりながら、読者の現実認識へ強烈なゆさぶりをかけてやまない」。ぜひご一読ください!
判型:文庫判/656ページ
KADOKAWA
発売日:2024年 10月 25日
定価:1,320円(本体 1,200円+税)
【目次】
第一章 冬の旅
第二章 ハイマツの獄
第三章 不老不死の薬
第四章 ストックホルムで消えた
第五章 崩壊
第六章 秘密の花園
第七章 キャンプ
第八章 研究所
第九章 破滅
解説 巽 孝之
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