2022/01/06

田中兆子氏による小説『徴産制』(新潮文庫)に、小谷先生が解説を寄稿されています!

田中兆子氏による小説『徴産制』(新潮文庫)に、小谷先生が解説を寄稿されています!

本書『徴産制』の舞台は、「スミダインフルエンザ」の流行により若年女性層が大幅に減少した近未来日本。画期的な性転換技術の開発により、満 18歳から 30歳までの男性全員が「女性」となり「産役」に就く「徴産制」が法的義務となる世界です。本作は、五人の男性登場人物——美醜に悩むショウマ、「産むこと」に挫折するハルト、産役逃れを幇助し慰安「婦」となるタケル、夫の性転換に戸惑う妻を持つキミユキ、「男のいない国」スミダリバーランドに出資する全身整形経験者のイズミ——を主軸にして、徴産制がしかれる SF世界から現代社会が抱えるジェンダーの問題を陰に陽に浮かびあがらせます。小谷先生の解説は、ディストピア SFの系譜、とりわけ女性を「産む性」として管理するディストピア SF作品群の視座から、本書のもつ意義をあらためてご教示くださいます。2018年度第 18回センス・オブ・ジェンダー賞大賞受賞作!ご関心のある方は、ぜひご一読ください!



『徴産制』
田中兆子
文庫、384ページ
737円(税込)
新潮社、2021年 12月 1日

【目次】
第一章 ショウマの場合
第二章 ハルトの場合
第三章 タケルの場合
第四章 キミユキの場合
第五章 イズミの場合

解説 小谷真理

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