巽先生による「ますます破壊的な水玉のために」は、20世紀末文化の一側面を吟味し批判してきた「アヴァン・ポップ」運動を振り返られながら、「破壊的な水玉」としてのアーバンギャルドに現代的可能性を見いだされます。小谷先生による「時にはスナップ写真のように」は、スーザン・ソンタグ、ダナ・ハラウェイの写真論を参照されながら、アーバンギャルドの一曲「スナッフフィルム」に込められた「深く暗い空虚な闇」に、迫られます。
巻末には、天馬氏による少女詩集や、アイテム図鑑(グッズ&ノベルティ)、ディスコグラフィーも収録されており、情報満載!なおかつ、ふんだんに盛り込まれた写真やビジュアル作品が、全篇カラーで楽しめるのも本書の大きな魅力の一つです。ご興味のある方は、この機会にぜひお手にとってみてください!
書名:『夜想#アーバンギャルド』
判型:A5
頁数:200
出版:ステュディオ・パラボリカ
刊行:2014年7月
価格:1,800円+税
*ステュディオ・パラボリカによる本書詳細
【目次】
INTRODUCTION
詩篇 前衛都市のための前奏 // 松永天馬
works with comments
4人はバンド?——メンバー紹介 // 西島大介
血の丸セーラー服 // 上野航
photo session 少女・消費・証明写真 // 蜷川実花 × 浜崎容子
interview 性+聖=生!? // 大槻ケンヂ+松永天馬+浜崎容子
LITERATURE
書き下ろし小説 少女神 // 神林長平
interview ポップの究極は孤独 // 冲方丁 × 浜崎容子
文字で書かれたR.I.P.スティック、或いは少女Y // 松永天馬
テクノポップはアングラだった。 // 千野帽子
ART
interview イメージの少女、等身の少女 // 会田誠 × 松永天馬
ヘビトンボの季節を過ぎても // 高柳カヨ子
works トレヴァー・ブラウン/ 山本タカト
URBANGAL & URBANGARÇON
illustrations with comments 前衛都市立少女美術館(夜想特別展示室) // 今井キラ / 安蘭 / 真珠子 / 森夜ユカ
愛をください!――アーバンギャルドと私 // 青木美沙子 / 上坂すみれ / きくち伸 / ケラリーノ・サンドロヴィッチ / サエキけんぞう / 四方宏明 / 鈴木慶一 / 月乃光司 / 辻村深月 / 中田クルミ / 南波志帆 / 新島進 / 根岸愛(PASSPO☆ / ハナエ / 福田花音(スマイレージ) / 古屋兎丸 /// 巽孝之「ますます破壊的な水玉のために」/// 小谷真理「時にはスナップ写真のように」
愛をください!――アーバンギャルドと私(特別篇)//青山裕企 / 櫻井孝昌 / まゆたん / 水島精二 / 夢眠ねむ(でんぱ組.inc) / 吉田豪
MORE DEEPLY
interview 実存としての少女、現象としての少女 // 大谷能生
松永天馬少女詞集
浜崎容子の告白 // 浜崎容子
メンバーインタビュー
アーバンギャルド アイテム図鑑
前衛都市のディスコグラフィ // 解説:松永天馬
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また、本号刊行を記念して「夜想アーバンギャルド展」が、下記のとおり絶賛開催中!こちらも要チェックです!(詳細はこちら)
- 日時:7月11日(金)〜8月31日(日)*月~金:13:00-20:00 / 土日祝:12:00-19:00
- 会場:パラボリカ・ビス(東京都台東区柳橋2-18-11 アクセス)
- 入場料:500円
- artists:蜷川実花、西島大介、Trevor Brown、安蘭、今井キラ、上野航、真珠子、森夜ユカ
- urbangarde:松永天馬、浜崎容子、瀬々信、鍵山喬一
【関連リンク】
- ステュディオ・パラボリカ
- アーバンギャルド特設ページ
- 夜想アーバンギャルド展
- 『夜想』復刊第1号に小谷真理さんが参加(CPA: 2003)
- 夜想+ステュディオ・パラボリカ主催展覧会にて小谷真理氏と高原英理氏のトークショウ(CPA: 2006)
【関連書籍】
『夜想#アーバンギャルド』
巽先生編訳『アヴァン・ポップ 増補新版』
小谷先生寄稿『夜想#ゴス』(