2014/08/10

ステュディオ・パラボリカより雑誌『夜想#アーバンギャルド』が刊行!巽先生と小谷先生が寄稿されています!:「ますます破壊的な水玉のために」&「時にはスナップ写真のように」

このたびステュディオ・パラボリカより刊行された『夜想』 は、バンド・アーバンギャルドを特集!歌詞担当の松永天馬氏による鋭利な詩と、ヴォーカル浜崎容子氏を被写体とした色鮮やかな写真から『夜想#アーバンギャルド』は始まります。「少女」を一つの補助線として、音楽のみならず、文学やビジュアル・アートも射程に入れながら、メンバーによる対話やインタビュー、数多くのエッセイを通じて、アーバンギャルドが鮮明に浮き上がります。後半には、ヴォーカル浜崎容子氏によるエッセイも収録。アーバンギャルドへの加入からいまに至るまでの紆余曲折を綴る「告白」は、強烈に読み手の心を揺さぶります。

巽先生による「ますます破壊的な水玉のために」は、20世紀末文化の一側面を吟味し批判してきた「アヴァン・ポップ」運動を振り返られながら、「破壊的な水玉」としてのアーバンギャルドに現代的可能性を見いだされます。小谷先生による「時にはスナップ写真のように」は、スーザン・ソンタグ、ダナ・ハラウェイの写真論を参照されながら、アーバンギャルドの一曲「スナッフフィルム」に込められた「深く暗い空虚な闇」に、迫られます。

巻末には、天馬氏による少女詩集や、アイテム図鑑(グッズ&ノベルティ)、ディスコグラフィーも収録されており、情報満載!なおかつ、ふんだんに盛り込まれた写真やビジュアル作品が、全篇カラーで楽しめるのも本書の大きな魅力の一つです。ご興味のある方は、この機会にぜひお手にとってみてください!


書名:『夜想#アーバンギャルド』
判型:A5
頁数:200
出版:ステュディオ・パラボリカ
刊行:2014年7月
価格:1,800円+税
ステュディオ・パラボリカによる本書詳細

【目次】
INTRODUCTION
詩篇 前衛都市のための前奏 // 松永天馬
works with comments 
 4人はバンド?——メンバー紹介 // 西島大介
 血の丸セーラー服 // 上野航
photo session 少女・消費・証明写真 // 蜷川実花 × 浜崎容子
interview 性+聖=生!? // 大槻ケンヂ+松永天馬+浜崎容子

LITERATURE
書き下ろし小説 少女神 // 神林長平
interview ポップの究極は孤独 // 冲方丁 × 浜崎容子
文字で書かれたR.I.P.スティック、或いは少女Y // 松永天馬
テクノポップはアングラだった。 // 千野帽子

ART
interview イメージの少女、等身の少女 // 会田誠 × 松永天馬
ヘビトンボの季節を過ぎても // 高柳カヨ子
works トレヴァー・ブラウン/ 山本タカト

URBANGAL & URBANGARÇON 
illustrations with comments 前衛都市立少女美術館(夜想特別展示室) // 今井キラ / 安蘭 / 真珠子 / 森夜ユカ

愛をください!――アーバンギャルドと私 // 青木美沙子 / 上坂すみれ / きくち伸 / ケラリーノ・サンドロヴィッチ / サエキけんぞう / 四方宏明 / 鈴木慶一 / 月乃光司 / 辻村深月 / 中田クルミ / 南波志帆 / 新島進 / 根岸愛(PASSPO☆ / ハナエ / 福田花音(スマイレージ) / 古屋兎丸 /// 巽孝之「ますます破壊的な水玉のために」/// 小谷真理「時にはスナップ写真のように」

愛をください!――アーバンギャルドと私(特別篇)//青山裕企 / 櫻井孝昌 / まゆたん / 水島精二 / 夢眠ねむ(でんぱ組.inc) / 吉田豪

MORE DEEPLY
interview 実存としての少女、現象としての少女 // 大谷能生 

松永天馬少女詞集
浜崎容子の告白 // 浜崎容子
メンバーインタビュー
アーバンギャルド アイテム図鑑
前衛都市のディスコグラフィ // 解説:松永天馬

◆◆◆

また、本号刊行を記念して「夜想アーバンギャルド展」が、下記のとおり絶賛開催中!こちらも要チェックです!(詳細はこちら

  • 日時:7月11日(金)〜8月31日(日)*月~金:13:00-20:00 / 土日祝:12:00-19:00
  • 会場:パラボリカ・ビス(東京都台東区柳橋2-18-11 アクセス
  • 入場料:500円
  • artists:蜷川実花、西島大介、Trevor Brown、安蘭、今井キラ、上野航、真珠子、森夜ユカ
  • urbangarde:松永天馬、浜崎容子、瀬々信、鍵山喬一

【関連リンク】

【関連書籍】
『夜想#アーバンギャルド』(ステュディオ・パラボリカ、2014年)


巽先生編訳『アヴァン・ポップ 増補新版』(1995年;北星堂書店、増補新版、2007年)


小谷先生寄稿『夜想#ゴス』夜想復刊第1号、ステュディオ・パラボリカ、2003年)