わずか20代でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞した、アメリカン・ニューウェーヴ思弁小説を代表する黒人ゲイSF作家、サミュエル・R・ディレイニー。彼の、1975年に刊行され、70万部を超えるベストセラーとなった超大作『ダールグレン』(Dhalgren)の邦訳が、先月ついに国書刊行会から発売されました。そして、本書には、サイバーパンクSFの旗手であるウィリアム・ギブスンが序文を、巽先生が長文解説を寄稿しました。
サミュエル・R・ディレイニー著、大久保譲訳『ダールグレン』Ⅰ、Ⅱ
国書刊行会より2011年6月22日刊行
『ダールグレン』Ⅰ 3360円/『ダールグレン』Ⅱ3570円
いっさいの通信手段が遮断され、孤立し、廃墟と化した都市ベローナ。そこに現れたチェロキー・インディアン系の青年詩人は、自身の名前もその場所に来た目的も思い出せない。やがてキッドと呼ばれるようになる彼は、退廃都市ベローナをさまよいつづける。
伝説的・神話的作品として語り継がれてきた、ポストモダン都市文学の最高傑作『ダールグレン』。あなたも、ぜひこの機会に、ディレイニー独自のマルチプレックス文学を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。