2008/02/07

巽先生共著『エコトピアと環境正義の文学―日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』が晃洋書房より、ついに刊行!

巽先生共著の『エコトピアと環境正義の文学―日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』が晃洋書房より、先月刊行されました!

建国当初よりアメリカニズムの核心を形成してきたユートピア幻想は、今日のエコロジーの視点から捉えるとエコトピアとディストピアに変容・解体される。この過程で明らかになってきた人種・階級・地域の社会的不平等を追及する環境正義について、日米のエコクリティクたちの熱い議論が展開する、ここでしか読むことのできない一冊になっています!

この作品のなかで、巽先生は、「ウィリアム・ギブスンの廃墟空間」と題して、サイバーパンク作家ウィリアム・ギブスンの90年代から今世紀に至る作品群を環境批評、つまりエコクリティシズムから読みなおして論じられています。

巽先生は文学環境学会の評議員を務めていらっしゃり、以前にもその関連の共著や講演、シンポジウム活動を頻繁に行っておられます。特に、2005年のネヴァダ大学講演や、2004年に彩流社から刊行された共著『自然と文学のダイアローグ―都市・田園・野生 国際シンポジウム沖縄』などが挙げられます。こうした先生の活動の詳細は、過去のCPAからもご覧になれますので、こちらもあわせてどうぞ!

※詳細は、こちらから。

スコット・スロヴィック/編著、伊藤詔子/編著、吉田美津/編著、横田由理/編著『エコトピアと環境正義の文学―日米より展望する広島からユッカマウンテンへ』
晃洋書房より、2008年1月刊行
4,725円



目次>
第1部 アメリカ文学とユートピア言説の構築
(科学を静かに退場させて―ソローの実存的ルーミニズムとユートピア的光芒人工のエデン、廃墟のアメリカ―J.F.・クーパーとホーソーンのユートピア批評ほか)

第2部 環境正義と新しい西部の風景
(ジョン・ミューアの求めた聖地の変容―国立公園のポリティックスカリフォルニアのユートピア―スタインベック『天の牧場』から『怒りの葡萄』へほか)

第3部 都市と幻想のエコトピア
(ホイットマンとマナハッタというユートピアグリーン・シティ―一九世紀ユートピア小説と万国博覧会における未来像ほか)

第4部 新たな場所の出現
(『パラダイス』とエコロジー的トポスの構築名もなき犠牲者に捧ぐ『広島ブギ』―植物を肌に纏っての「サバイバンス」ほか)