2021/09/02

海老原豊先生が『ポストヒューマン宣言——SFの中の新しい人間』(小鳥遊書房)をご刊行されました!

海老原豊先生が『ポストヒューマン宣言——SFの中の新しい人間』をご刊行されました!本書は三部構成、ポストヒューマンという概念を通じて SF史を概観されながら、これからの想像力=創造力を探究されます。

第一部「他者との遭遇」は異星生命体(エイリアン)との遭遇に焦点をあて「ポストヒューマン」の問題系を浮彫にし、続く第二部「機械化する自己」においては AI, ロボット、サイボーグの切り口から「機械」と「自己」の対立を再考・再編成しながら、最後の第三部「産む身体・殺す身体」は妊婦と兵士に注視することで、身体と精神の「継ぎ接ぎ」模様を照射します。

とりわけ、第二部第四章「グレッグ・イーガンとオウム真理教——超越性を超越できない人間の人間らしさについて」は、SFの地平で決定論と自由意志を孕む生の意義を鋭く問いかけるとともに、第三部第九章「フェミニスト・ユートピアは(どこに)あるのか」は、「産む/産ま(め)ない身体」を主題にした SF作品がいかにして男-女、セクシュアリティ-ジェンダー、自己-他者、言語-現実、国家-個人の接触面をめまぐるしく撹乱・転覆していくかを極めて批判的に抽出されます。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!




『ポストヒューマン宣言——SFの中の新しい人間』
海老原豊
装幀:久留一郎デザイン室
四六判並製、302ページ
小鳥遊書房、2021年8月27日
本体2,400円+税
ISBN: 978-4-909812-64-3

【目次】
まえがき——私たちはすでにポストヒューマンである

第一部 他者との遭遇
第一章 エイリアンとポストヒューマン
第二章 SFの想像力=創造力
第三章 『AKIRA』と『ナウシカ』から日本的ポストヒューマンへ

第二部 機械化する自己
第四章 グレッグ・イーガンとオウム真理教——超越性を超越できない人間の人間らしさについて
第五章 二十年後のマトリックス——サイバースペースは身体から精神を解き放つのか
第六章 人工知能は人間の友か敵か、それともポストヒューマンか——SF映画の AI表象
第七章 我ら人間、サイボーグ

第三部 産む身体・殺す身体
第八章 ル・グィンとティプトリーの身体性
第九章 フェミニスト・ユートピアは(どこに)あるのか
第十章 継ぎ接ぎの化け物——フランケンシュタインあるいは現代のポストヒューマン

主要参考文献
初出一覧
あとがき
索引

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