2021/08/28

09/10: 世界文学・語圏横断ネットワーク第 14回研究集会のお知らせ

9月 10日(金)に、巽先生が発起人の一人として関わっていらっしゃる世界文学・語圏横断ネットワーク第 14回研究集会が下記のとおりオンラインにて開催されます。今回は、パネル「世界文学再考――『生まれつき翻訳』のアクチュアリティ」が行われます。ご関心のある方は、ぜひふるってご来聴ください!

世界文学・語圏横断ネットワーク Cross-Lingual Network
第 14回研究集会
日時:2021年 9月 10日(金)13:00開始(15:30までに終了予定)
※ Zoom使用オンライン開催
※どなたでも聴講頂けます。お申し込みにつきましては、世界文学・語圏横断ネットワーク公式 Facebookをご参照ください。

【プログラム】
パネル「世界文学再考――『生まれつき翻訳』のアクチュアリティ」
発表者
  • 秋草俊一郎(日本大学):「エヴゲーニー・チジョフ『下訳ありの翻訳』とポストソヴィエトの翻訳ポリティクス」
  • 坂口周(福岡女子大学):「翻訳的日本近代と純粋言語の夢――村上春樹と先行者たち」
  • 吉田恭子(立命館大学、兼司会):「ポスト国民文学時代の現代詩」
  • 佐藤元状(慶應義塾大学):「モダニズムの翻訳――ヴァージニア・ウルフの場合」

この秋にパネル企画者の吉田と佐藤が監訳者として取り組んできた、レベッカ・ウォルコウィッツの著書『生まれつき翻訳――世界文学の時代の現代文学』(松籟社)が出版される。デイヴィッド・ダムロッシュやエミリー・アプター、フランコ・モレッティの主要著作と並んで、世界文学研究の代表的な文献としてみなされている。

本書の問題提起の一つは、翻訳がナショナルな文学史の書き換えにおいて果たす生産的な役割にある。イシグロの新作の出版などで既に馴染みの光景となった「世界同時翻訳」=「生まれつき翻訳」とも言えるグローバルな出版状況の下で、私たち研究者は各国文学の枠組みに囚われたまま、既存の路線を進むだけで良いのだろうか。本パネルでは、アメリカ文学研究者の吉田、イギリス文学研究者の佐藤に加えて、日本の世界文学研究のパイオニアである比較文学研究者の秋草俊一郎氏、世界文学という視点から近現代日本文学の読み直しを行なっている日本文学研究者の坂口周氏を講師にお迎えし、『生まれつき翻訳』の議論を切り口として、さまざまな世界文学の可能性について各自のディシプリンおよび知的関心に引きつけてお話しいただき、領域横断的なダイアローグの場を作り出したい。

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